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マスティックの木はギリシャ南東部に位置するヒオス島にのみ群生する常緑灌木で、学問的にはピスタシア・レンティスカスとかスヒノス・マスティホフォロスと呼ばれます。通常は背が低く横に広がるブッシュのような木ですが、ヒオス島では長い年月をかけて、背丈がおよそ5m以上の高木に成長します。幹は曲がりながら伸び、根は四方に広がり、時には12mの長さに達します。マスティックの木は40〜50年間かけてゆっくりとしたリズムで成長し、木の最盛期から約13年間にわたって毎年320g〜1000gのマスティック樹液を生産します。木の寿命は100年とも200年とも言われています。毎年7〜9月頃にマスティックの木から吹き出す樹液は採集され、その後ゆっくりと自然乾燥します。はじめ無色透明の樹液は時間の経過とともに硬化し、黄金色の固形になります。この状態で選別して保存します。
春になるとマスティックの木の新芽は切りとられて地元のマーケットで売られます。非常に新鮮で刺激的な樹脂臭を持っていて、イースターの時の花束を造るのにサポート材料として使われます。
【葉】
ダークグリーンでやや堅く、細長い形をしています。
だ円形のまわりは滑らかです。
葉の大きさは長さ2〜3cm、幅1〜1.5cm程です。
【環境】
常緑の雑木林で、乾いた砂地や岩の多い斜面、山腹に
適しています。
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マスティックの生産地 |
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マスティックの木はヒオス島にある21の村で栽培されています。ヒオス島の南地区は世界で唯一マスティックの木が成長し、樹液の生産出来る場所です。実際、ヒオス島以外でもマスティックの木は育ちますが、樹液を吹き出すことはありません。ヒオス島では昔から火山の噴火で出来た土壌の上にマスティックの木が自然に群生しており、この土壌と樹液との間に特別な関係があるようです。
ガムマスティックの栽培は今では村の大切な収入源となっていて、この樹液の採取は法律によって規制されています。採取の時期はガム質が均一に凝固する7月15日から10月15日までに行うとしています。すなわち、この期間以外にマスティックの木に切り込みを入れたり、樹液を採取することを禁止しているわけです。
栽培面積はマスティック栽培村の農耕面積の約31%を占め、全作物生産高の約37%を占めています。ガムマスティックは村の人々にとって、大変重要な作物になっています。
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マスティックの収穫作業 |
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- 毎年6月中旬頃から収穫前作業としてマスティックの木の周りの土を平らにし、ホウキや木の枝を用いてきれいに掃除をします。
- 7月15日から木への切り込み作業をスタートします。先端の尖った器具を使用し、幅1〜1.5cm、深さ4〜5mm程の切り込みを木の根元から幹、枝に向かって行います。一本の木に対して1週間に2回行います。
- 切り込み口から透明なマスティック樹液がしずくとなって少しずつ吹き出し始め、約15〜20日で終了し、自然乾燥して固まります。
- 最初の収穫は8月中旬頃に行います。樹液は特殊な工具を用いて収穫し、それらを農家に持ち帰り木製の箱にくっつかないように置いて涼しい場所に保管します。
- 乾燥した樹液は女性たちの手によって選別作業が行われます。この作業は夜の集まりの中で大きなテーブルに広げて行います。選別した後、ヒオス島のマスティック栽培協会に出荷します。
- 最初の収穫が終わると、すぐに2回目の切り込み作業を行い、同じように樹液の収穫を繰り返します。
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